『秒速5センチメートル』

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Yahoo! JAPAN - 秒速5センチメートル

うー。むー。

正直観終わった直後は(商業作品として)否定的な意見がないとは言えなかったのですが、パンフレットの監督のコメントを読んだら「あー、まー、そーだよなー」と割とストンと納得してしまったのでぐちゃぐちゃと此処に書く言葉がなくなってしまいました。

なので映画を観て納得できなかった人はパンフレットを買うと良いと思います。封筒を模しているのが素敵ですし。(余談だけどパンフに書いてある監督の「スケッチ小説」、出版してほしーなー)

映像は期待通りの新海映像。綺麗な風景に、浮遊感・落下感を感じるカメラワーク。

シナリオは今回はSF要素を入れず、まっとうに思春期の少年少女という監督お得意の描写。13歳の少年が「大人ならば大したことのない事」に酷く絶望したり、新しい世界を知るということを素朴で舌足らずな独白で演出。

新海誠作品が好きならば劇場に足を運んで損はないでしょう。

【以下超ネタバレ】
「書く言葉がなくなった」とか言っておきながら筆が乗ると書かないでいることも座りが悪いので書いてしまうのだけれども。やっぱり第1話、第2話と盛り上げてきて第3話が山崎まさよしのPVってのはねーよなー、と感じるのは致し方ないことだと思うのですよ…これが予告編とか、単純なPVなら別にいいのですが、商業作品として、映画としてお金取ってるわけですし。短編連作でその前の話を受け継いでいるわけですし。「受け手が想像して下さい」というには話の筋が固定されすぎちゃってますし。

それに輪をかけるかのようにぶっちゃけBAD ENDですし。いや、新海作品としてはいつもどおりですけどね。思春期に運命の出会いを果たして冒険(?)するけれども、離別して、時が流れてくたびれたサラリーマンになるっていうの。でも『雲のむこう、約束の場所』程度にはぼかしても良かったんじゃないかなぁ…救われなさすぎ。明里は幸せそうなのがまた……。というか、アレですね。こういう、貴樹みたいな人多そうですよね、とかなんとか。