桜庭一樹『ブルースカイ』(ハヤカワ文庫)P316

だいたい”青春”が”輝いていた”なんて、ばかな大人の、腐った魚の目をした廃人みたいなやつらの、謎の集団幻覚だと思うもん。世の中、そんな謎の映画とかドラマとかで溢れてるけど、あんなの嘘だよ。輝いてた過去なんて、現在のその大人と同じ時間軸で繋がってるわけないよ。現実の青春は灰色だったでしょ? 憂鬱とか、将来の悩みとか、友達とか、恋愛とか。それからええと、漠とした不安? あ、それはアクタガワの死因だった。現代国語で習ったばっかりだ。あはは。