そうだ、選挙に行こう。ということで2007年上半期ライトノベルサイト杯

「2007年上半期ライトノベルサイト杯」

サイト管理人のオススメが集うラノサイ杯。「なんとなく手にとってなかったけど実は評判いいんじゃん!」というものを見つけられてステキングです。「ハルヒしかねえだろwwww」という世間の流行りが上位を占める一般的なランキングというよりは「これは俺が投票しないと誰も投票しないかもしれん」という隠れた名作を見つけやすくて好き。もちろん「なんと言われようとも俺はこれに投票するぜ!」な我も見えていいですね。

「新人・新作部門」=「1冊で物語が完結する作品」

まずは対象リスト「単発部門対象作品一覧(書影あり)」を見ながら「あ。これは面白かったよねー」と気にいったものをピックアップ。リスト248冊中読了は51冊(21%)。

少女向けを除けば結構割合行ってると思うんだけどなー。割と新人・新シリーズには手を出すほうなので。今回のリスト講談社系(ファウスト系)がだいぶ入っているような? あと佐藤友哉灰色のダイエットコカコーラ』はあるのに『1000の小説とバックベアード』がリストにないのはなんでしょうか。前者はラノベだけど後者は純文だからでしょうか(ぇー 桜庭一樹赤朽葉家の伝説』もそういえば去年の12月末発売なのでリスト外なんですよね……発売日と投票日って割と重要ですよね。

閑話休題。51冊からピックアップされたのは以下の18冊。ここから5冊に絞り込むのか(苦笑)

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸 (電撃文庫)アキカン! (アキカン! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)声で魅せてよベイビー (ファミ通文庫)私の愛馬は凶悪です (ファミ通文庫)虎は躍り、龍は微笑む 獅王争覇! (ファミ通文庫)ヒツギでSOSO! (ファミ通文庫)渚フォルテッシモ (MF文庫J)DDD 1 (講談社BOX)学園カゲキ! (ガガガ文庫 や 1-1)樹海人魚 (ガガガ文庫)人類は衰退しました (ガガガ文庫)新興宗教オモイデ教外伝 1 (1) (ガガガ文庫)十八時の音楽浴―漆黒のアネット (ガガガ文庫)レヴィアタンの恋人 (ガガガ文庫)零式 (ハヤカワ文庫JA)クインテット! 1 (GA文庫)大正野球娘。 (トクマ・ノベルズedge)

まずはロミオ教徒として『人類は衰退しました』には入れたい。『DDD』も外せようはずがない。そして新人発掘&応援という意味で『ヒツギでSOSO!』に入れないわけにもいかない。”跳訳”という面白い試みに成功した(?)『十八時の音楽浴』にも拍手の意味で一票入れたいし、同じくガガガ文庫レヴィアタンの恋人』も魅力的に面白かった。半年前なので若干記憶が古いけども『ミミズクと夜の王』も今後確実に目立つであろう新人だし、”好きな新人作家”の2人から『アキカン!』『Quintet!』も応援したいところ。そして完全な趣味で『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』も捨てがたい。

今何冊? 9冊? 元々かなり気に入ってる奴をノミネートしてるだけあって選考会(@脳内)は大荒れです。ここで審査員Aが一石を投じました。『人類』と『DDD』と『ミミズク』は放っておいても上位になるだろう、と(笑)。人よりちょっとだけ多くラノベを読んでるんだからあまり読まれていないけど実は面白い作品に票を投じるべきではないかと!

というわけで決定。

ヒツギでSOSO! (ファミ通文庫)

ヒツギでSOSO! (ファミ通文庫)

【07上期ラノベ投票/単発/9784757736274】
死刑執行人が花形職業の時代。そして主人公は葬儀屋というなんとも新人らしい挑戦作。それが奇をてらっているわけではなく、その設定の上でちゃんとファミ通文庫らしい(少年少女向けらしい)エンターテイメント小説に仕上げていて今後が楽しみな新人さんですね。→感想

レヴィアタンの恋人 (ガガガ文庫)

レヴィアタンの恋人 (ガガガ文庫)

【07上期ラノベ投票/単発/9784094510140】
正直今ガガガ文庫で一番オススメ(笑)。いわゆる戦記モノ(?)なんだけど舞台が(ほぼ)現代日本。コロニー毎に敵対して馬上で殺し合いなんかをしたり遠征したりするんだけど地名が「新宿」とか「調布新町」だったりして、王(指導者)の名前も日本の名前だったりしてまずはそのギャップが面白い。

戦記モノ(?)と言ったけど年表がガッチリあってとかではなく、「戦闘の多いキャラクター小説」という括りでおk。「特進種」と言われる新人類の異能が主だし(とは言え”魔法”ちっくではなく、強靭な生命力とかそんな感じ)。

過去に纏わる挿話を挟みつつ世界設定の根幹に関わってくる造りは好みだし転生っていうのもバリっと私好み。芯の通った高潔で強いけども生き方が不器用な黒髪美人のヒロイン、暴力的な力を持ちながらも少女たちに頭があがらずどこか微笑ましい主人公の青年とキャラクターも魅力的だし、美麗なイラストも相まって非常に面白い。

是非続編を!

【07上期ラノベ投票/単発/9784840238793】
黒髪ヤンデレなまーちゃんが好きすぎるので(笑) タイトルやカバー裏からもわかるとおり死や殺人や狂気を嗜好する所謂”病んでる”話。そのため嫌いな人は嫌いでしょうけど好きな人は好きなんで(笑) 西尾維新戯言シリーズ』のいーちゃんと蒼の関係のみを抜き出したような感じかな。→感想

【07上期ラノベ投票/単発/4086303574】
メロンソーダの缶に口をつけて飲もうとしたらその缶が美少女に変身! もちろん口と口はくっついたままで――

↑この設定が妄想フルスロットルすぎて素晴らしいと思います(笑) んでこの元・空き缶なツンデレ馬鹿娘と同棲生活。そして「1匹現れたら3匹はいると思え」な落ちモノ系の王道らしく他のアキカンたちも登場。そしてアルミ缶VSスチール缶の戦争へと巻き込まれていく――と、あらすじだけだと萌え特化の駄バトルモノの典型っぽいんですがそれは『Beurre・Noisette―世界一孤独なボクとキミ (集英社スーパーダッシュ文庫)』でデビューした新人さんですよ。殺し殺されの陰鬱な部分もあますところなく描写。表紙と設定でヌルい萌えコメを望んでいた方ご愁傷様……。まあそれはスパイスみたいなもので基本は萌えコメと言っていいような気がします。

にしてもデビュー作からガラっと変わったなぁ(笑) 『ブール・ノアゼット』もエッジが効いてて好きだったんですが反面それが嫌いな人もいるだろうなぁ、と思っていたのです。そのマイナスな部分をうまく誤魔化して(なくしたわけではないのがポイント)広く受け入れられそうな話になってますね。

クインテット! 1 (GA文庫)

クインテット! 1 (GA文庫)

【07上期ラノベ投票/単発/9784797341652】
去年一番クリティカルだったといえる悲哀系ラノベ花守 (GA文庫)』でデビューした新人さんの2作目。元々はコメディ系の作風だというのはあとがきで書かれていましたが、本作はその本領発揮と言える作品。

所謂「美少女同居モノ」。バカで楽しく微エロい感じ。シリーズで楽しみたい。

5作品選びましたけどピックアップした18冊はどれもオススメです。(現状)1冊だけだから手に取りやすいですし。

「シリーズ作品部門」=「物語が複数冊に渡って進んでいる作品」

新人部門に比べてかなり悩むシリーズ部門。「この巻は絶対オススメだけどシリーズ通してオススメかって言われるとちょっとなぁ…」とか「あれ、あの内容って○巻と△巻のどっちだったっけ」とか「投票したいんだけどぶっちゃけ自分も積んでる」とか(ぇ

新人部門と同様に対象作品リスト「シリーズ部門対象作品一覧(書影あり)」から選んでいくと…対象504冊中読了は85冊(17%)。比較的シリーズを”切る”決断が早いからかなぁ(笑)。そしてピックアップしたのは

神様のメモ帳 (電撃文庫)世界平和は一家団欒のあとに (電撃文庫)扉の外 (電撃文庫)陰陽ノ京〈巻の5〉 (電撃文庫)ウィザーズ・ブレイン〈6〉 再会の天地〈中〉(電撃文庫 1421)レジンキャストミルク〈7〉 (電撃文庫)イヴは夜明けに微笑んで―黄昏色の詠使い (富士見ファンタジア文庫)クジラのソラ〈02〉 (富士見ファンタジア文庫)スプライトシュピーゲル I Butterfly&Dragonfly&Honeybee (1) (富士見ファンタジア文庫 136-8)マテリアルゴースト〈5〉 (富士見ファンタジア文庫)カタリ・カタリ―トキオカシ〈2〉 (富士見ミステリー文庫)ムシウタ〈08〉夢時めく刻印 (角川スニーカー文庫)涼宮ハルヒの分裂 (角川スニーカー文庫)円環少女(サークリットガール)〈5〉魔導師たちの迷宮 (角川スニーカー文庫)オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れもの注意!!(2) (角川スニーカー文庫 200-2)“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)暗闇にヤギを探して〈3〉 (MF文庫J)パーフェクト・ワールド What a perfect world! Book.1 (講談社BOX)刀語 第一話 絶刀・鉋 (講談社BOX)シャギードッグ 天使の序章 (GA文庫)マリア様がみてる 26 クリスクロス (コバルト文庫)

21冊。多い、多いよ! ちゃんと選ぼうよ! というわけでここから5冊に絞ります。

まず『イヴは夜明けに微笑んで』は確定。『レジンキャストミルク7』も書影を見たら入れずにはいられない(けど完結してから投票でもいいかも?)。完結といえば『マテリアルゴースト』。先輩が素晴らしい。『トキオカシ』の打ち切りには納得がいかない。

ウィザーズ・ブレイン』『陰陽の京』も”シリーズとしてオススメ”という意味では広くオススメしたい逸品(今度いつ出てくれるかわからんし)。『シュピーゲル』もどっちかは入れたいくらい面白かったし、個人的に『シャギードッグ』は応援したい。「大河ノベル」もなんだかんだで応援したいし…あ、『神様のメモ帳』にも入れたいよなぁ。『ムシウタ』も外せないよなぁ(でも2007年下期の投票で七那様に全額ベットでもいいかもなぁ)。

…全然絞られてません(苦笑)
けどなんとか5冊にしなくては…というわけで。


【07上期ラノベ投票/複数/9784829118801】
ラノサイ杯が開始されてまず「あ。イヴに投票しなきゃ」と思った本作。それくらいこの半年間でがっつり目立つデビュー作でした。セツナイ系が好きな方、奇麗な話が好きな方は是非。詳しくは感想にて。


【07上期ラノベ投票/複数/4829119276】
絶望的なことがあったわけじゃないけど生きててもしょうがないから死にたい。でも痛いのはヤだなぁ、という主人公が受け入れられたことがびっくりなマテゴも遂に最終巻。前巻のアレな引きから最終巻の予想外な結末まで盛り上げ方がうまかった。俺の中での正ヒロイン・先輩が遂に本領発揮したのも大きなポイント。→(4巻の)感想

ウィザーズ・ブレイン〈6〉 再会の天地〈中〉(電撃文庫 1421)

ウィザーズ・ブレイン〈6〉 再会の天地〈中〉(電撃文庫 1421)

【07上期ラノベ投票/複数/9784840238113】
ウィザブレ。それは私の初ラノベにして譲ることのないベストオブベスト。年に1回しか出ませんが待って余りある感動をご提供いたします。KeyやTYPE-MOONな”泣きゲー”が好きなら絶対ハマる(笑)

陰陽ノ京〈巻の5〉 (電撃文庫)

陰陽ノ京〈巻の5〉 (電撃文庫)

【07上期ラノベ投票/複数/9784840237642】
刊行予定を見て誰もが目を疑いました(笑) 電撃の中でも技巧派というか堅実に積み重ねていくタイプの渡瀬。最近は『空鐘』一色でしたが個人的には『パラサイトムーン』、そしてこの『陰陽の京』が大好きです。→感想

【07上期ラノベ投票/複数/9784062836104】
俺が入れないと誰も入れなそうなので(笑)。毎月思いますが『刀語』との搬入冊数の差、そして売れ行き売れ残りの差に切なくなりすぎです。清涼院流水という天才の文章・京都・英語が詰め込まれたコストパフォーマンス高すぎな作品。詳しくは感想にて。


うへー。休み休み書いたとはいえ結構時間かかりましたー。まあ5冊という縛りの中でうだうだ考えるのは楽しいので良いのですが。ちらちらと書影を見る感じ『上等』シリーズと『バカとテストと召喚獣』は読んでおきたいかな、と。あとさっさと『レギオス』は読んでおかないといけない気がしています(笑)。

さて後は他の人の投票と結果発表が楽しみですねぃ。