2006年のマイベストな映画、ついにDVD発売!!

ずっと待ってたんですよ! マイナーだったのでひょっとしてDVD出ないとかいうオチじゃないかと本気で心配しましたよ!? やっとAmazonに予約入荷ですよ。しかもZippo付き。

"Amazon特製"(←ココ重要)Zippoが5000円というのはちょっと…という人にはお手軽な通常版でもいいかもしれない。ともかくこの映画は「ああっ、俺がもう金払ってやるから観ろよ!」「つまんなかったら買い取ってやるわ!」という勢いでオススメする映画です(いや、まあ実際そういうのはうざそうなので言いませんが。好みはそれぞれだし)。

あー。当時の感想を引用しようと思ったらアレって旧サイトに書いていたのね…タイミング悪い…というわけでローカル保存なやつからコピペ。

20061106
『サンキュー・スモーキング』
★★★★★★★★★★(オススメ!)

「1年以内に全てのタバコの外箱にドクロマークを!」という法案をゴリ押ししようとするフィニスター上院議員に対抗するのはタバコ研究アカデミー広報部長(=PRマン)ニック・ネイラー。1日に1200人を殺すタバコ業界の「顔」として全世界に嫌われている男は得意の言葉で煙に巻くのが得意。ニューズウィーク誌に「情報操作の王」と書かれた彼の今回の活躍は――


素晴らしい!!

OK、今年のNo.1映画はこれだ! たぶん世間的には『ダ・ヴィンチ・コード』かDMC(『パイレーツ・オブ・カリビアン2 デッドマンズ・チェスト』のこと。デトロイト・メタル・シティじゃないヨ)、ヲタ的には『時をかける少女』でしょうが私はこれに投票しますよ!(……投票?)

タバコのパッケージを素材にしたオープニングでセンスの良さをみせつけたあと、ニック・ネイラーの語りによる自己紹介。この時点で笑いに包まれる劇場。1人のバカ客がゲラゲラ笑っているんじゃなくて観客全員が一体となって笑っている。すげぇ。序盤でここまでセンスの良い笑いを提供されたらもうこの作品は期待に応えてくれると思いましたよ。

PTAとか上院議員とかいわゆる”良識ある人々”に明確に嫌われているニックがその飄々とした語り口でやりこめる様はすこぶる爽快。いや、もうすげーかっこいい。愛煙家とか嫌煙家とかそんなんじゃない。ニックがかっこいいんだ。だから全員観ろ!(とはいえ、不謹慎ネタもあるので毛嫌いする人には向きません。風刺の効いたセンスの良い笑いではあるんだけど)

脇役も全員魅力的w ニックの友人のアルコール業界のPRウーマンと銃製造業界のPRマン、3人で死の商人(Merchant of Death)<モッズ特捜隊>を気取って夕食がてらの作戦会議。いやもうこいつら大好きw 他にも上司のBR、タバコ業界のドンであるザ・キャプテン、日本かぶれのハリウッドのスーパー・エージェント、ジェフ・マゴール、肺ガンになって訴訟を起こす初代マルボロ・マン。1キャラ最低1つは笑いドコロがあるってなんだw

そしてただの風刺ギャグ映画じゃない。女記者に騙されて全てを失うニック。彼を励ますのは離婚した妻に引き取れた息子。父親と息子の話でもある。この「父から息子へ」というのは『ビッグ・フィッシュ』に通じる私の大好きなファクター。実際に涙を流すというわけではないけど観終わって爽快さと気持ちよさ、そして「面白かった!」と手放しで思える映画だった。超オススメ。これは俺の人生の映画ランキングにも入れるわ。DVD絶対買う。


まずは公式サイトの予告編を是非(とはいえ大分ネタバレ。観ても楽しめるけど既に本編を観るつもりならあまり勧めません)。もうこれで惚れる。余談だけど公式サイトのローディング画面を観て「よし、これは見に行く!」と決めましたw


関連)『サンキュー・スモーキング』ジェイソン・ライトマン監督インタビュー
これでデビューか。楽しみな監督が増えたw にしても上映館が少ないのがホントもったいなぁ。あと愛煙家VS嫌煙家とかタバコマンセーとかそういう映画ではなく風刺の効いたエスプリを楽しむ映画なので誤解なきよう。嫌煙家も楽しめると思います(たぶんだけど。ちなみに劇中では一度も喫煙シーンが出てきません)。これは原作も買ってこよう。

いや、ほんとにべた褒めしてるな俺。こういう感想って時間がたってから落ち着いて読むと恥ずかしいよね(ぇー ともかくShamrockの名にかけて観て欲しい作品。まぁ俺の名前はプライスレスですけども。