浅倉卓弥『四日間の奇蹟』(宝島文庫)P398

「確かにね、かつて持っていたはずなのに失くしてしまったものって、どう言えばいいんだろう、切ない、ですよね。若さとか、さ。
 でも、そこにいつまでもこだわっていたら、敬輔さんがかつての敬輔さんと比べることを止めなければ、それはとても不幸だと思うわ。いま持っているものに価値が見出せなくなる。そんな気がする――」