『クライム・ハウンド』(集英社スーパーダッシュ文庫)

中世ファンタジーな雰囲気で岡っ引き(十手持ち)の見習いの少年少女を描いた作品。少年誌的なノリで暗さがなくポジティブで爽快感を目指した感じ。基本善人でみんないい人ばっかりー、このいい仲間で悪を倒してみんなを守るぞー、みたいな。個人的嗜好としてはもう少し重みが欲しいところ。

気弱な少年主人公と、マジメな優等生少女は深遊絵補正込みで結構好きなのですが、内面がの描写がないのが勿体ない。エンディングも良いんだけどもうちょっと引っ張っても良かった感じ(まあ次巻が出るかによりますが)。主人公が挑発されてキレて強くなるって、なんというか…安いなぁ

軽く読めてそれなりに満足なんだけど全てが新人の読み切りの及第点の円に収まってる感じかなぁ。1度読み返せば直せるようなシナリオの粗(ユリィナが間取りを知っていたり)がそのままなのが凄く気になる…事件解決した後も普通に考えればもみ消されるだろうに綺麗事な顛末といい、ご都合な少年誌的といいますか。ノリが一昔前のジュニア小説っぽいのかなー。

クライム・ハウンド
柊 ハルヤ〔著〕
集英社 (2006.12)
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