『ぼくと魔女式アポカリプス 2 Cradle Elves Type』(電撃文庫)

……おや、割と密度が濃くて良作ですな?

というわけでラノベでも辺境な鬱グロジャンルの新星(1年前)「魔女カリ」の2巻。親しいキャラが気軽に犯人だったり犯されたり殺されちゃったりするというそんなタイプの話。正直このタイプは描写が下手だと単なるキャラ死にのワンパターンなだけだし、ジャンル自体への食傷も早いので難しいトコロ。

その雰囲気、言葉遊び的な文章からも西尾維新の影がちらついてしまうのは最早しょうがない。その文章も”格好良さげな単語を意味を考えずに羅列してる感じ”がして個人的にやたら鼻につく。意味が通じればいいんだけどそれほど筋が通っていないように思えるので西尾フェイクの粗に感じられる…。とまあ以上西尾信者の戯言終了。「西尾のパクリニダ<丶`∀´>」と言いたいわけではなく(そもそもストーリーとしてはそれほど似てはいない)、読者として読んだ印象を語ろうとすると触れないわけにはいかないなぁ、という感じでひとつ。

さて簡単に言うと能力バトルの殺し合いな本作。今回の敵はチャイナドレス+サンバイザーの自称”正義の味方”のポニテ少女(変身すると幼女)。変身を解くと少女になるのでチャイナドレスがキツイです。考えた作者天才だな。ちなみに武器はスモールライトとビックライト。1巻のエルフさん(武器:拳銃)も大活躍です。むしろ今回のヒロインはエルフ。

「新しい敵が出てきてー倒してー」なワンパーに嵌るのかと思いきや後半で「え、2巻にしてこの展開やっちゃうのかよ!?」という展開。これで評価がガクンと上がったね。無駄に引き延ばしにグダグダしなくて非常に宜しい。いつ打ち切られるかわからんしな。考えてみればまだ2巻でこの密度は結構なモノ。5巻あたりで”満足して(←重要)”最終巻を読み切れそうな予感がして今後が楽しみ。

イラストは藤原々々。この割とシリアスグロな話に萌えエロなこの絵師をあてたのは大正解だったな、と今更ながら。

余談)今回幼女になった以外に目立たなかった冥子ですが表紙。なんだ、この表紙イラストは色々とアレだな、うん(それは貴方の心が穢れているからです)。

ぼくと魔女式アポカリプス 2
水瀬 葉月〔著〕
メディアワークス (2007.1)
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