『マージナル』(ガガガ文庫)※悪文です

お粗末な中二病作品。

……えー、これが小学館ライトノベル大賞<大賞>受賞作かよー、と、かなりガガガ文庫全体にたいして不安感が…トークライブで「実際の事件があってやばいと思った」「ほんとに出版して大丈夫?」などと盛り上げてくれた割にかなりお粗末な結果。こんな小手先の「なんちゃって狂気」で何言ってんだお前? メフィスト賞読んだほうが良かったよ!


暗い嗜好を持つが、人を殺さぬ境界線にいる人間たちが集うアングラサイト。その管理人たる少年は性衝動とイコールな人を殺したい衝動を抑えながらその自らを<マージナル>と呼ぶ。

ある日、クラスメイトの少女が殺された。少女を殺す場面を何度も想像していたのに犯人に先を越されてしまった…その後管理するアングラサイトに加入を申し込むHN「エクスター侯爵の娘」、彼こそが少女バラバラ連続殺人事件の犯人だった。境界を越えてしまった<オーバーライン>と、<マージナル>の鬼ごっこが始まった――


えー、様々なつっこみどころがあります。かっこつけてるつもりの知識が薄っぺらいまた聞きなのが見え見えで薄ら寒い。(あとがきの参考文献が桐生操と『FBI心理分析官』なのを見て納得……)

”一般人”と”マージナル”を見分ける試験が「ジル・ド・レ」と「キャッチャー・イン・ザ・ライ」程度を知っているだけで「知識量なら申し分ない」らしいですよ!?

語り部の1人が殺人鬼本人で、バラバラにする理由、殺人の理由がわかってしまい、かつ単なるヒキヲタなゲスでしかないことが早々にわかってしまいわくわく感がかなり減少。あと殺人鬼さんがチャットで「w」つけてると萎えることこの上ないですね。

アングラサイトGoogleで見つかるってどうなの?

主人公のミスもしくは故意によって窮地に陥りすぎ。かつトラブル対処がお粗末すぎる…お前、わざとピンチになりたいんか。マゾか。もう少し頭が良いほうがいいですね。

結末もこの手のサスペンスの王道でどんでん返しなわけだが…明らかにつけたし感が……。

キャラクターも弱い、というか記号にしか感じられん。過去エピソードとか中二病的なファクターはついているのだけれど「あー、そう」というだけで迫って感じられないし。キャラクターたちの行動・心理もかなりイミフ。一貫性がない感じ。

時々入るギャグパートも全体の雰囲気から大きく逸脱していて齟齬が強い。辛い珈琲みたいな?

うーん、ダメだ。いいところみつかんない。

マージナル
マージナル
posted with 簡単リンクくん at 2007. 5.26
神崎 紫電〔著〕
小学館 (2007.5)
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