『聖剣の刀鍛冶』（MF文庫J）

『上等。』シリーズの三浦＆屡那コンビの新作はファンタジー。元貴族で誇り高い自警団の少女騎士、腕は確かだが無口な刀鍛冶の少年、その助手で天真爛漫な幼女。前作同様、キャラクターが魅力的で、絵師との相性も良いので倍率ドン。

ただ、ファンタジーということでややとっつきにくく、自分の感覚よりもちょっとストーリーが先走っちゃってるような感じがしたかな。世界感に慣れる前に展開が転がるというか。

冒頭からガッと世界観に引き込まれて一緒にドキワクした『上等。』と比べると『上等。』のほうが上。個人的に『刀鍛冶』の「俺TUEEEEE!!!!」は苦手っていうのもあるし（『上等。』の鉄平は潜在スペックはあるけど基本へたれで追い込まれてから「畜生！やればいいんだろやれば！やってやるよ畜生！」と逆ギレしてぎりぎりで解決するので好き。格好よく決めてもへたれとからかわれてオチがつくし）。

『上等。』シリーズは最近1作目から読んで一気読みしちゃったシリーズなので絶賛PUSH中（→感想）。なので『上等。』と『刀鍛冶』どっち薦める？と訊かれたら『上等。』なわけなんだけど、この作者は応援したい気持ちがあるし、今回はやや序章という感じで今後に期待。それになんだかんだで『刀鍛冶』もやっぱり熱い。「君は私の戦友になれ」（P251）のシーンは良い。

聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) (MF文庫J)