『ＳＨ＠ＰＰＬＥ—しゃっぷる—』（富士見ファンタジア文庫）

これはかなりの良作。

やー、タイトルといい表紙といいあらすじといい全力で「駄コメ」臭がしていたので回避していたのですが平和さんがやたら持ち上げるのでついに購入。おぉ、これは面白い面白い。結果、途中で飽きることなく１冊一気に読んでしまいましたよ。コメディとしても面白いし、心地よい青春モノの雰囲気もあって、登場人物たちにも好感が持てます。

あらすじとしては、お嬢様学園で生徒会長として慕われるもちょっと疲れてしまった双子の姉・舞姫と”交換”で女装してお嬢様学園に通うことになってしまった、普通の共学に通う冴えない少年・雪国。一目惚れの少女・蜜にちょっとでも近づければいいな、と思っていた雪国だったけれど学園では生徒会ＶＳソロリティの派閥争いの真っ最中。でもお人良しの雪国はソロリティのリーダー・胡蝶の宮を助けてしまい妙なことに―？　一方、庶民の共学に男装して通う舞姫は大人しくしていようと思っていたのにそのクールさが受けてなぜかモテモテ。そしてひょんなことから非モテ同士の非公認クラブと行動を共にして事なかれ主義の退屈な学校を改革することに！？

イラストがギャルゲすぎて手が伸びないのはもったいない。いや、逆に新参ホイホイだったのかもしれないけど、普通に文章を読みたい人にも強く勧めたい１冊。女装してお嬢様学校へ転入→ハーレムウハウハという先入観は良い意味で裏切られました。や、実質そうなってるけど（笑）、それだけじゃないというか。それになにより代わりに男装して普通の学校に行って発奮する姉のエピソードがお互いを引き立てあって非常に良い感じです。非モテかっこいいよ非モテ。滝本竜彦レベルの非モテの代弁者を求めると弱いですが、こういうゆるい非モテキャラたちは結構好きだったり。

これは上期の新シリーズ部門、５作中にノミネート確定、ひょっとしたら首位レベルだなぁ。

余談。ちなみに5/25付で三版でした。売れてるのかしら。そしてこの帯の発想は新しい。「生徒会の一存」でもやりそうだなw
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