『疾走する思春期のパラベラム』(ファミ通文庫)

思ったより面白かった。

ぶっちゃけ絵買いした後に「あ、作者深見じゃん!」と気づいた罠。いや実は著作を読んだことはないんですが地雷万歳富士ミススレにおいて深見真とはそれだけ偉大な作家なわけですよ。いい(=富士ミス的な)意味で。とはいえ最近は『ヤングガン・カルナバル』とか評判が良いような噂も耳にしますけど。

んで本作。簡単に言うと、心に傷を負ったトラウマ持ちの少年少女が心の力で”銃”(なんかでかいメカメカしい奴)を具現化する能力を得てバトるぜ! という、ガキの妄想まっしぐらな設定が逆にツボる話。ストーリーは家庭の事情がアレで入学が遅れたうじうじマイナス思考少年が、部活全員参加なので仕方なく温そうな映画部に入ろうと思ったらそこはなんか曰くありげな部活で、偶然バトルに巻き込まれて、錠剤を飲んじゃったら主人公も能力持ちになっちゃった! 街での殺人事件(とか)もこの能力者(パラベラム)が関与してるらしいよ! という感じ。ま、この映画部が能力者のコミュニティでノー天気なポジ少女(日曜の趣味:ネットで釣り。口癖:2ch語)とか、マッドサイエンティフィックな美人おねーさんとか、気弱部長とか、イケメン副部長とかがいたりして、ネクラ主人公を受け入れてくれるわけですな。あ、あと水銀燈謎のゴスロリ美少女が裏に絡んでるっぽいよ。

いやぁ、ホント「想像で何もないところからカッコイイ銃を具現化(なぜかリロードが必要)」とか「普通に生活してるけど実は過去に凄いトラウマなことがあったんです」とか中二病と言いたいところだけど、中二病だっていいじゃないラノベだもの。バトルに芸がないなぁ、と思うところもありますがなんだかんだで楽しんで読めたので個人的にはナカナカの評価ですよ?。気晴らしに少年漫画でも読みたい気分の時にいい感じ。

疾走する思春期のパラベラム
深見 真著
エンターブレイン (2006.10)
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