『世界平和は一家団欒のあとに』(電撃文庫)

「元・異世界を救った勇者」の父親と「元・異世界の姫君」である母親から生まれた男女6人の子供たち。子供たちもそれぞれ1人1人が「物語のヒーロー」になるべく運命を持って頻繁に世界の命運を握る事件に巻き込まれては解決するという出来事が日常ちゃめしごと。今回はそんな家族の、世界の命運を握らない、”家族”のお話。

いやー、上記の設定だけだとバカ小説すぎて私にはサブイボが立ってしまうんですが、このバカ設定を物語の背景として納得させて、その上で個人個人のストーリーを読ませるだけのパワーがあるお話でした。


禁止ワード:鏡家
なんか、イメージが被る。まあ兄妹に差別化した記号を与えると大体こんな感じになるかとは思うんですが鏡家サーガの印象が強すぎてw だもんで「明るい妹」は裏で強姦されてるか、殺されると思いました。ダメ発想。

禁止ワード:直死の魔眼
こっちはエナジードレイン機能もついてるぜフゥーハハハー。いや、まぁ、この設定もありふれてるっちゃありふれてるし「月姫」がオリジンだと思ってるわけではありませんが、なんかわざわざラノベ業界で使う能力としてはギリギリ橋だよなぁ。


↑の禁止ワードっぽいことを書くととたんにアンチ文章っぽくなるからアレだ(じゃあ書かなきゃいいんだけど思ったことは書きたいので)。いや、面白かったしキャラクターも好きなので今後も楽しみ。4作品の中ではこれが一番シリーズものに向いていると思うし。今回デコ娘(ヒロイン)の出番が少なすぎて、ちょっと悲しかったし。

世界平和は一家団欒のあとに
橋本 和也〔著〕
メディアワークス (2007.2)
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