『えむえむっ!』(MF文庫J)

「も、もっと、もっと俺を殴ってくださいっ! ゴミクズでも見るような目で俺を見てくださいっ! もっとひどい言葉で罵ってくださいっ! お、お、お願いしますぅ!」

「ブタ野郎っ! この醜いブタ野郎って言って! あなた様の美しく高貴な白い足で、俺の汚いケツを思いっきり蹴り上げてください――――っ!」

「ち、違う……違う! 俺は変態なんかじゃないっ! だ、だからそんな目で俺を見ないでくれよ! ……あ、ああ、でも、そんな君たちの冷たい視線が気持ちいい……ってそうじゃない! ち、違うんだっ! 俺は変態なんかじゃないんだあぁあああぁあああっ!」


(ネタ元:綾瀬さとみ「夏色ショウジョ」by【損損損】あのAAの元ネタ【AA】

「美少女が、俺を、蹴ってくれました」「”デレ”は不要!? M感覚ラブコメディー」との帯につられてつい購入。中学3年生の時に無口なクラスメイト女子にいきなりビンタされて「死ねばいいのに」と罵られたことをきっかけに重度のマゾヒズムに目覚めてしまった主人公が、高校にてその性癖を治そうと”願いを叶えてくれる”という噂の「第二ボランティア部」を頼るが、そこの部長は重度のサド美少女で。さらにはM体質の原因となった少女もそこの部員で……というお話。

うん、主人公がすげー変態。「( ゚∀゚)o彡°サドデレ!サドデレ!」と軽い気分で買ったら主人公のMっぷりのほうに引くはめになるとは思わなかったw あと部長がなー、デレがないならまだしもその暴力がやりすぎというか、他人のことを考えない傍若無人なDQNで個人的にどうしても好きになれない…まあ、主人公は意外とまっすぐな熱さを見せるし、部長もなんだかんだで慣れてきたし、もう1人のおとなしめ少女は普通に可愛いし、親友もいいやつなので(そして母親と姉は主人公にデレデレなので)読んでいて普通に楽しい感じ。

ストーリーはこのメンツでの所謂”学園モノ”。エピソード的にはやや既存のツギハギな感じを受けたけど、総じて及第点かな。

余談。ネタバレだけど、アレがアレだっていうことに(伏線あったのに)全く予想してなかったことに自分で驚愕。このネタの漫画とか読んでるのになぁ……

あともう1人のおとなしめヒロインですが、

「わたし、男の人に触られると、怖くなってその男の人を無意識のうちに殴っちゃうの……だ、だから、あんたを……」
「む、無意識のうちに殴っちゃうって、なぜに……」
「……なんとゆーか、殴られる前に殴ってしまえというか、正当防衛というか……」P199

伊波さんだ、伊波さんがいる。
(参考:「WORKING!!」3巻発売、伊波出撃す

まぁ、特に「おもしれええええ!!」ってわけでなくライトノベルとして及第点プラスワンな感じなんですが変態さでは群を抜いている上、それをうまくキャラ性として確立して違和感なくストーリーを転がしているところを評価。今後も気になるところ。てゆーかMFは『かのこん』といい、そういう色を持ってきたなぁw

えむえむっ!
えむえむっ!
posted with 簡単リンクくん at 2007. 2.24
松野 秋鳴著
メディアファクトリー (2007.2)
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