『虎は躍り、竜は微笑む』(ファミ通文庫)

おっとこれは良作。

「中華娘っていいよね」という自分の趣味だけで買ってみましたがこれはなかなか。内容はファミ通文庫らしく十代前半の読者向けな感じで、暗さ・鬱さがなくて「読んでいて楽しい」エンターテイメント。

少年少女が通うライセ武術院。そこの問題児・天涯孤独だが元気で真っ直ぐなコハクと親友で他人に無関心な美形のリュード。コハクの盗み食いに業を煮やす幼馴染のカーシャ。生徒総監にして”玉面公主”の渾名を持つ美人だがカタすぎて厳しいツイフォン。

もうひとつの武術院・ゲンフー武術院とメンツを賭けた試合”獅王争覇”を前に、ライセの優等生・ユージンがゲンフーの生徒に囲まれリンチを受けているところを助けたコハクとリュード。どうやらワケアリのようだけど――


ベタっちゃベタであり、ご都合主義というかキレイゴト主義な面がありますがそこはそれ。エンターテイメントと割り切れば気にならないしキャラクターが元気に動くので楽しめます。それに作中で現実主義なリュード君が冷たいコメントをして気持ちを代弁してくれているのでバランスはとれてるかな、と。

イラストも個人的にはすごく好きな絵柄。崩してあるけどキャラの表情が伺えるのがいいですな。

これはシリーズ化して欲しい。ので売れて欲しい。

余談。ツイフォン先輩がストライクすぎる。黒髪!美人!生徒会長!マジメ!男言葉!なんとなく見下す感じ!武器は鞭!

余談その2。勝手な予想だけど帝はきっと女の子(だといいな)。

虎は躍り、竜は微笑む
嬉野 秋彦著
エンターブレイン (2007.5)
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