『バニラ』(集英社スーパーダッシュ文庫)
美少女2人(百合)、銃、逃避行。
銃ネタのオンパレードな美少女ガンアクション『黄色い花の紅』でSD大賞を受賞した作者の第2作目。今回も予想通りこのネタです。需要と自分の売りドコロがよくわかってますね(笑)
黒髪のストレートロング、長身で凛とした少女ケイと、金髪のガーリーボブ、小柄な可愛らしい少女ナオ。2人寄り添い合っていた少女たちは偶然ライフルを手に入れたことからお互いの暗い過去を清算するために人を殺し、逃避を企てる。だがやり手の刑事がケイに目をつけ始めて――
前作よりもアクション映画のプロットな印象が強かったかな。過去に対する詳細な描写や殺人に対する罪悪感みたいな”暗さ”は極力廃して少女たちの微笑ましい耀さ、展開も読めるんだけど大味なアクション(狙撃、カーチェイス)というビジュアルな魅力には成功している感じ。予想されうる2通りの結末のどちらかなのか気になってページをめくる手が止まらないし、2人の寄り添いあう様子が微笑ましく満足。
文章も前よりうまくなってるし、個人的に好きな雰囲気を作り出してくれているので今後「デフォルト買い」は決定かな。