『扉の外 2』(電撃文庫)
参考)1巻の感想。
さあどう話を持ってくる? の2巻だよ。
まあ”繋ぎ”の部分はある意味”売り要素”なので黙っているとして今回もゲーム。なんか『カイジ』みたいな……相手の裏を読み疑心暗鬼になりつつ仲間を裏切るとかそんな感じ。
ただなー。主人公クンが本当に頭が良くて策としてうろたえたフリをしているのか、本気で頭が悪くて失策しているのかわかりにくいという致命的欠陥が。その部分、読者は知らないと感情移入しにくいのですよ。
相変わらず閉鎖された抑鬱な環境下で同級生が不愉快で下種な人間特有の醜さを醸し出したり、ヒロインだと思ってた娘が陰湿な女子集団特有のいじめを主導したりします。鬱々としてきます。だがそれがいい。毒にも薬にもならない奴より劇薬がお好みなのです。
今回の白眉はラスト。いやー、コン・ゲームの醍醐味はラストのどんでん返しであり、正直ラストさえよければ途中はどうでもいいとすら思えるのですがこれもそんな感じ(笑)。このラストの驚きだけで満足です。