『時の魔法と烏羽玉の夜』(電撃文庫)

はいはい表紙買い表紙買い。

『桜色BUMP』の作者&絵師の新刊。普通の少年が黒服2人に拉致され、さらに魔法を使う女の子(黒髪ツンデレ)に救われた。なんでも50年前に”未来”に飛ばした最悪の魔法使いが現れるのが4日後でそれを倒せるのは少年だけらしいのだが――

うーん…ちょっと伏線が見え見えすぎてなぁ……自分(大人)が自分(子供)を優しく見守るっていうシチュエーションは大好きなんだけども。

あと、どうも「え、いや、じーさんソレ先に言っておけば無問題で全て丸くおさまったんじゃね?」な感じの「現実的に考えて当然のことをなぜか行わず、その結果として予想外(らしいよ、登場人物的には)のピンチ」というなんともおサムい感じなんですよねぇ。

ツンデレさんも自己犠牲の展開には惹かれるものがあったのですが、キャラクターそのものの魅力というと他との差別化が弱いなぁ。

とはいえラスト付近で「後味WARYYyyyyy!!!!!」となりかけた話を持ち直してすっきりしたハッピーエンドにしたのはよろしいかと。玄人には粗が目立つので特筆すべきものとは感じられないけど、ラノベの正規読者たる少年少女は割と気に入るかもね。

時の魔法と烏羽玉の夜
在原 竹広〔著〕
メディアワークス (2007.5)
通常24時間以内に発送します。