『ミステリクロノ』(電撃文庫)
『トリックスターズ』を1巻で投げたら周りで割と評価が良くなっていき「あれれ?」と思って積んでいる間に完結、そして新シリーズが出ちゃったよっていう新シリーズ。
「(対象の)時間を戻せる」(例えば怪我しても怪我をする前に戻せる。記憶も失う)という時間を操るアイテムを持つ”天使”の少女と彼女を助けて、彼女がなくしてしまった他のアイテム探しをする主人公、という構図。このアイテムには色々規制があって、そのルールを探りつつ、他のアイテムを拾ってしまった犯人と頭脳戦を繰り広げるのかなぁ、と『デスノート』みたいな期待。
ただこの期待は…うーん、微妙? ミステリというわりにはどうにもストーリーが穴があってなぁ。本をぶん投げる程じゃないんだけどどうにも瑕疵が気になってしまう。今回の事件の場合、あの流れでは明らかに他のアイテム(たとえば時を止めるアイテム)の使用を疑うべきだし、主人公も他のアイテムの機能をまず尋ねるべきだと思うんだよ……。犯人さんも覗いただけでその”使い方”というか”ルール”に気づけたのか微妙に納得いかないし。
主人公の少年はなんとなく腹黒っぽいオーラを感じるのでその方面に突き抜けてくれると好きなんだけど現時点だと腹黒なのかただの善人なのかわからなくてちょっと判断保留。ヒロインの天使の少女は精神年齢が子供という設定なのでまあ頭が緩いのは許せる…か? 容姿も子供ならもうちょっとむかつかなかったんだけどなぁ。黒髪ロングヒロインさんは…なんかあけすけすぎて微妙にストライクゾーンから外れ目。
総じてまだちょっと微妙な感じ。「2巻は読もう。でも2巻でつまらなくなったら容赦なく切るな」という感じ。ただ、犯人の”動機”の気持ち悪さと不愉快さがフルスロットルに突き抜けていて好きです。まぁ、絶対不評のほうが多いんだろうけど。
- 作者: 久住四季,甘塩コメコ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/08
- メディア: 文庫
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