『クリスマス上等。』(MF文庫J)

これは面白い!

今月買う新刊がやたら少ないので2005年10月に1巻が発売され、2007年4月に全8巻で完結したシリーズに手を出してみました。前から気になってはいたのですよ。

いやぁ、新人でこれだけ書ければ超オススメしまくってラノサイ杯でも問答無用で投票してましたねぇ。

まず外形から。

1巻は『クリスマス上等。』。単品でも面白い。
それから4巻までが1冊1エピソードな感じで第一期。
5巻の短編集と6〜8がまとめて1エピソードで劇場版。

という感じ。4巻で一応の大団円だったのに吃驚しました。1巻が面白くてまとめ買いを決定したものの全4巻くらいだと思ってたら実は8冊も出てたので。区切りは上記の通りなので試しに読んでみて気に入らなくても途中で止めやすいかも?

基本恋愛モノですが新キャラの女の子が登場してもグズグズな三角関係にならずにずっと一途なまま、っていうのが良い感じ。あと発売日も劇中のイベントと同時期にしていたのでリアルタイムに追えなかったことは今さらながらちょっと残念。


さて『クリ上。』のあらすじ。目つきが悪くテンション高め、ちょっと暴力とか振るっちゃいそうな、でもクリスマスイヴに独りでケーキを買って部屋で寂しくなっちゃうような少年・五十嵐鉄平。

そんなイヴの夜、部屋に赤いおかっぱ頭に赤いスーツを着込んだ女がいきなり登場。テンションの高い電波女がマイクを向けつつ言うことには彼らはこの世界(第三世界・外世界)よりも上位の世界(第一世界・内世界)のTV局員で『外世界ウォッチング』が人気番組。今回は4時間生放送の特別企画! 『薄幸少女を救え!』

なし崩しで拉致られた鉄平が連れていかれたのは夜の公園。ブランコに寂しく腰掛けている”薄幸少女”はクラスでもあまり目立つことのない少女・古都ゆかり。以前、両親を喪いながらもクラスで気丈にふるまうゆかりに投げかけた言葉はずっとゆかりの心に残っていた。

ベンチで鉄平と話したおかげか、ちょっと元気になったゆかりは自宅のパーティーに出席する決意をし、鉄平を誘う。それは実は超巨大企業KOTOのパーティーで、ゆかりはその後継者――

そんな中パーティー会場で起こる銃声、テロル。ゆかりとゆかりの祖父が拉致され救えるのは鉄平ただ一人――内界人のちょっとした手助けだけで一般人・五十嵐鉄平の戦いが始まった!



いやぁ、テンポが良いし、ストーリー展開も斬新で面白いです。キャラクターもそれぞれ魅力的だし、イラストも奇麗めで雰囲気にあっています。

ちなみにこのシリーズの基本は「純愛ラヴコメ。でもいいところでテロが起きる」です。普通なら「ありえねー」って思ってしまうところですがその前に「異世界」という要素を入れて読者に心の準備をさせているのでスムーズに作品世界に入っていけてるような気がします。

↓の名シーンのようなちょっとほろりとくる話もポイント高し。

クリスマス上等。 (MF文庫J)

クリスマス上等。 (MF文庫J)