『藤堂家はカミガカリ』(電撃文庫)

第14回電撃小説大賞<銀賞>。

うーん、「佳作」。後半は悪くないんだけど全体的に有象無象のラノベを抜け出してなくて、印象が薄い感じ。とはいえ、主人公の男女の”相棒”っぷりは悪くないし、車椅子の丁寧なヒロインも好印象。これでもうちょっとメインのストーリーが面白ければなぁ。

日本神話っぽい異世界から現代日本に出張して任務についた2人の男女。彼らへの指令はある少年を護ること――いじめられっこの少年の家に強引に同居することにしたが、車椅子の姉は良い顔をしなくて――

表紙とタイトルから『世界平和は一家団欒のあとに』(前回の金賞)っぽい作品かと期待してたら普通のラノベ的バトルでした。ただ、このバトルもシリアスのわりにはつまんないなーと思っていたら「敵とネトゲ仲間だったから」「糖尿だから」といった理由で解決してしまって「え?なにこれ?ギャグ?」と一瞬思考停止。ギャグ…なのかな。たぶん。

うーん。あと何作か出れば中堅になるかならないか微妙なラインってところかなぁ。キャラクターの描き方が良いんで化ける可能性もあるけど。ただ今回のだとプロに対してアマチュアって印象が強い感じ。

余談。それにしても表紙…主人公2人でも、同居する2人でもなく主人公序列で言えば5番目の幼女がピンですよ。シリーズの3巻目とかならいざしらずデビュー作でそんな荒業でくるとはな……。

藤堂家はカミガカリ (電撃文庫)

藤堂家はカミガカリ (電撃文庫)