『刀京始末網 −ヒツジノウタ−』(ファミ通文庫)

『三月、七日』の森橋ビンゴのデビュー作。2002年3月発売。

一般人による逮捕、刀の所持が合法化(銃の所持が厳罰化)された日本で犯罪者(「愚連」)を捕まえる者たち―「始末」。刀鍛冶の父親を愚連に殺された少女は始末となりその愚連を追う生活に身をやつすことになる―。

現代日本でチャンバラ、という世界観のための無茶フリ(笑)。まあ、その世界観はなかなか惹かれるものがあるのでOKですが、主人公の得物が鍛冶の「鉄鎚」で相手の刀を叩き折るという戦法なのでなんというか、せっかくのチャンバラ世界観が台無しなんですが…

全体のプロットもここまで王道のテンプレ展開だと逆に吃驚してしまうま。ちょっとやりすぎなくらいどこかで見た流れ。とはいえ、文章はうまく世界観に惹き込んでくれるので新人でこれだったらだいぶ「今後に期待」。