『リリスにおまかせ!』(電撃文庫)

フツー。

ケロQ絵師ということと、金髪ツインテ幼女が爺喋りということで読んでみましたが……びみょ。有象無象のエロゲメーカーがよく出す「萌え絵だけど、ストーリーが山梨で退屈」な感じ。黒髪ロングメイドの尊敬語だけで行く地の文は結構新鮮だったんだけど。「これを尊敬語の教材に採用すれば尊敬語の使えない若者が減るかも!」と阿呆なことをちょっと思った。まあ、でも尊敬語だけの地の文ってなんか疲れるわ…

さてさて最終選考落ちだった本作のあらすじですが――金髪ロリなサタン様と、使い魔のリリス(黒髪ロングメイド)は先の大戦で失った魔力を溜めるため人間に混じってちまちまと悪事を働いています。日中に引きこもってクソゲーしたり、ジャンクフードを好んだり、燃えないゴミの日に燃えるゴミを出したり……

そんな折2人は空気の読めない正義感の強い少年と出会います。どうやら少年はイエス・キリストの生まれ変わり…イエスの魂を堕落させればサタン様の魔力も溜まり完全復活に近づくぜ!と少年の学校に2人して転校。サタン様に「少年をオトせ」と言われたリリスはサタン様に言われるまま保健室で襲ったり、弁当作戦を展開→少年はどぎまぎと意識しだしますが生後1年(天然)のリリスは意味がわかっていません。この食い違い空回りはなかなかにニヤニヤ。この路線のほうが好みだったんですが、話の盛り上げが必要なので(ぉぃ 天使や、サタン様の元部下な悪魔とイエスの魂をめぐって戦闘開始! うーん、緊迫感がなくてバトルに向いた筆致じゃないんだよなぁ……

文章はよく言うと読みやすい、悪く言うと淡白で高速で読み流し可能。イラストはまあ普通? 個人的に好きな基4%な絵じゃなく、みつみ美里フォロワーな感じだったのが残念なところ。

余談。片岡ともラノベ進出ですけどSCA-自は小説分野に行かないんですかね。と、想像したらレーベル的にガガガしか考えられなくてちょっと笑った。

リリスにおまかせ! (電撃文庫)

リリスにおまかせ! (電撃文庫)