『シャギードッグ 天使の序章』(GA文庫)

作者の過去の著作を見ると割と世代が古い感じのファンタジー畑の人っぽかったのでどうかなぁ、と思いつつ宮城(『され竜』)絵の表紙がえらいかっこいいので表紙買い。

うむ、これはアタリですね。

近未来SFっぽい世界のボーイ・ミーツ・ガールもの。一般人たろうとする少年はサイボーグとプログラムによる肉弾戦、少年と出会う殺し屋(何でも屋)の少女は催眠能力による脳へのハッキング対決とバラエティに富んでいて楽しい。

無感情クールなヒロイン・オズ(表紙)がいい感じ。主人公とのやりとりといい『9S』な感じかな。爺さんといい大家さんといい脇を固めるキャラが素敵。特に大家さん。ツンデレヒロインの挿絵まだー?チン☆⌒ 凵\(\・∀・)

そうそう、挿絵といえば。カラーページはオズのみな上に挿絵の出番も少ない主人公とサブヒロイン・姫野のビジュアルがあまり脳に記憶されず。今みたら主人公はわりと挿絵あったんだけど…コマ割小さかったからかな。

事件はこの巻で解決しますが、人間関係としては続巻前提のためちょっと物足りないというか、ストーリーの終わりとしてのカタルシスが足りない感じ。あと終盤だけでなく中盤もオズに出会ってからメインの事件が起きるまでの2人の関係がすっとばされているのが勿体無いなぁ。もうちょっと描写がほしかった。

とはいえ、予想以上に面白かった。続きが楽しみ。

シャギードッグ
七尾 あきら著
ソフトバンククリエイティブ (2007.1)
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