『少年検閲官』(ミステリ・フロンティア)P213

「私は完璧な検閲官だが――心は失われている」エノは軽く胸に手を当てた。「ここもすでに検閲済みというわけだ。それはすべてにおいて都合のいい、よりよい形であるはずなんだ。しかし、君の目を通して見た時、まだ私の心の何処かに失われていない何かが見つかるかもしれない。それを削除すべきかどうかを、その時にまた決めなれければならない」