『うさぎの映画館』(電撃文庫)

まあ表紙の雰囲気と橋本紡の帯推薦文から「あー、なんか小奇麗な感動モノなんだろーなー」と予想できる新人デビュー作。

うむ、その予想は当たっていたけどもどうにも微妙。目を惹く見せ場がないのでこの手の話はよっぽどのストーリーテリングを要求されるのですよね。特に気になる瑕疵が見つからないし、作品の雰囲気はうまく一体化できているので今後に期待、みたいな。

さて骨董屋でバイトする素朴系お嬢さんが持ち込まれた手鏡や姿見やランプシェードなんかのエピソードを聞いてその晩にそれっぽい夢を見る短編連作。まったりほのぼの。

余談。ラストでばらした”あの設定”は必要だったのだろうか…「考えてみればそうですよねー」と思いつつも敢えて(あのキャラの)ファンを減らすような真似をせんでも(苦笑

うさぎの映画館
殿先 菜生〔著〕
メディアワークス (2007.5)
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