『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 幸せの背景は不幸』(電撃文庫)

まずはカバーを外してみて下さい。

私は外に本を持っていく場合はカバーを外す派なんですが”コレ”に気づいた瞬間、6位くらいだった本書の読書優先度が一気に2位まで上がりましたw

さてタイトルや帯、カラーページからわかるとおり、殺人や誘拐に罪悪感を覚えない人種たちが心的外傷を抱えたり、世の中を斜に構えて見たり諦めたり自殺したりするタイプのお話。実際に考えると割とハードな話ながら、ラノベ的萌キャラ・会話に助けられてそんな鬱一辺倒ではなく。戯言シリーズの「いーちゃんと蒼の関係」を抜き出したみたいな感じ。

8年前、幼少期に誘拐・監禁され一緒に嬲られ、一緒に壊され、一緒に狂った、僕(みーくん)とまーちゃん。8年ぶりに再会した時、まーちゃんは男女2人の子供たちを誘拐して自宅に監禁していて――

正統派ヤンデレ・まーちゃんが可愛いですね。本当に病んでる上にフルスロットルでデレデレなので堪らん人には堪りませんな。浮気がバレた(違)時の怖さは異常w そして実は誰でもいいとかもうね、寝取られ感も暗に感じられて堪りませんよ。

ストーリーも流れに違和感はあまりないし、オチもがんばってる。陳腐になりがちな中二病っぽい設定なのにちゃんと読めるものでした。というか単純に「好き」な話。

イラストは左氏。ヒャッホウ!と喜んだ俺。でもイラストは章タイトルのみで、キャラ絵はなし。でも表紙絵とカラーが素晴らしいのでどうでもいいですね!