『操り世界のエトランジェ』(角川スニーカー文庫)

第11回スニーカー大賞《奨励賞》受賞作。

人を操る”糸”を見ることができる異能の母親と少年。母親が任務の最中に失踪し、少年はその代わりと母親の行方を追うために街を騒がせている女性の腹を切り裂いて殺し続ける事件。

調査の最中、夜の街でボロボロの制服を着た少女に出会う――体内に百八の刀を納めるよう改造された《作品集No14.刀姫》・カタナ。自分の作り手を追う彼女と共同戦線を張る。

母親のいない家に帰ると漆黒のメイドが控えていた。母親が逃げ出した実家から送られてきた少年専属の《人形》。主人の言うことだけを聞き、主人に糸を操らせ戦闘を行う人形の少女。


序盤は「あー、ごくごく普通の異能バトルものかー」という感じ。戦闘シーンにも力が入ってるわけでもないので評価は低め。

ただ途中から鬱展開キター!! 甘福あまねのふんわりした絵のくせにえげつない展開だな!

そしてラストバトル。やや登場人物たちの感情・行動の理由の描写が上手くない気がしましたがラストの盛り上げ方はまぁまぁだったので良し。


読み終わってみれば割と好きかも。今後の成長に期待って感じ。

それにしても読んでいても2つの別々の作品をくっつけたような違和感があったんですがあとがきを読んで納得。LOVE寄せしようとする編集との考えの違いか…イラストの起用ももうちょっとこういう話に合う人のほうが読者とのマッチングも良いだろうに…表紙だけで手に取られるか決まる新人さんなんだし……

繰り世界のエトランジェ〈第1幕〉糸仕掛けのプロット (角川スニーカー文庫)

繰り世界のエトランジェ〈第1幕〉糸仕掛けのプロット (角川スニーカー文庫)