『クダンの話をしましょうか』(MF文庫J)

ネットいじめ。

最近の子供たちはムカつく奴がいたらそいつのブログに匿名で「死ね」とか「おまえウザイ」とか書きこんだり、学校BBSで「○○ってうざいよねー」とか書いたりするんだぜ? 相手が目の前にいるのに顔は笑顔で、でも手元の携帯で罵声を匿名で送ってるんだぜ?

っていうネットいじめとかいうのをちょっと前に『クローズアップ現代』で観てたのでこの作者はどこまで最近の子供事情をキャッチしてるんだ、とちょっと感心したというお話。

閑話休題

路上で占いをする少女・クダン。彼女は件――相手の不幸を予言し、予言した相手の記憶から彼女のことは消えてしまう――。他人を受け入れないクダンが他人を受け入れ、友人となった彼女の不幸を救うため予言をし、自らはまた孤独になるという短編連作。せつなさハートフル。

デビュー作『神様のおきにいり』があたたかさ100%なご町内妖怪モノだったのに対して、ちょっとビターな味わいを追加した感じ。それでもほのぼのとして可愛らしい部分は顕在なのでなかなかよい感じ。まぁ、でもあたたかさ100%のほうがこの作者には合ってそうだけど。

クダンの話をしましょうか (MF文庫J)

クダンの話をしましょうか (MF文庫J)