『スプライトシュピーゲル 1 Butterfly & Dragonfly & Honeybee』(富士見ファンタジア文庫)

↑でもちょっと書きましたが『オイレン』と同時期で、また別の少女3人の小隊のお話。同じ世界のはずながら『オイレン』がスラムのような暴力と絶望に染まっていたのに対して、『スプライト』はライトノベル的といいますか、残酷な過去・展開はあるものの基本の雰囲気は明るい前向きなもの。それはコードネーム(?)が『オイレン』のほうは<犬>で、『スプライト』は<妖精>であることからもなんとなく伝わってきます。

キャラクターもかなりライトノベル的。お嬢様で他の2人の姉のような役割の鳳(アゲハ)。楽しけりゃいーじゃん、という元気少女・乙(ツバメ)。おどおどと怖がりなボクっこ・雛(ヒビナ)。他にもボーイミーツガールな少年や、サポートする大人も多数登場。割と3人だけの印象が強い『オイレン』とはまた違った感じ。そういえば衣装も『オイレン』はレオタード(?)で『スプライト』はゴスロリ(?)。

どっちが好きかはたぶん好みによると思いますが個人的な印象では『オイレン』のほうが完成度は上かな、と。『スプライト』は『オイレン』に比べてキャラクターの心理描写がやや弱い感じだったので。とはいえどちらも面白い。テロの理由に噛ませて宗教のアレとかソレとか出てくるのもいいですね。そういえば読んでいて「あー、そうか。『攻殻機動隊SAC』に似てるのかな」とふと思いましたが、全力で反論されるのが怖いのでちょっと言うだけにしておきます。

余談/個人的な好みの順番/鳳(最高)>>ニナ>>>>エゴン局長>>雛>乙。
余談(追)/鳳と陽炎のどっちを上位にするか小一時間悩む。結論=保留。でもちょっと鳳寄り?