『二四〇九階の彼女 2』(電撃文庫)

必ず(でもないけど)女の子が出てきて、残酷な結末の『キノの旅』。

こんなほのぼのした絵のくせに……。「世界は塔で出来ていて、1階ごとに違う世界があり、塔の外にはないもありません」と言う世界で、「別の塔の(声だけで会話したことのある)彼女」と塔の外の海で逢うために塔を降りていく少年サドリ。お供は高性能AIで説教好きなカエル。

それぞれの階(世界)の扉を開けるにはその世界の「鍵」たる少女が必要で、少女は各々の望みを持っている。しかし神の代行をするというコンピュータ・アントロポシュカがそれを邪魔し――

「光のない暗闇の世界でヒカリを見たいと願う少女」などエピソードとしては印象に残る良い物語。の、はずなんですが全体としてみるとあんまりべた褒めする気にはならないのはどういうことかしら。しら。

二四〇九階の彼女 2
西村 悠〔著〕
メディアワークス (2007.3)
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