杉井光

『さくらファミリア!』(一迅社文庫)

「言う通りにしたのに祐太は思い出さなかった!」と、エリはぼくを指さして憤慨する。 「最後までやらないからよー。ゆんゆんはエリさまのはじめての人だし、赤ちゃんがやってくるのはコウノトリでもキャベツ畑でもないってさっき教えたでしょ?」 「あんた…

『死図眼のイタカ』(一迅社文庫)

あかん千紗都! それは恋愛フラグやない! 死亡フラグや!というわけで『さよならピアノソナタ』『神様のメモ帳』の杉井光の新作はデビュー作『火目の巫女』の鬱ストーリーを彷彿とさせる伝奇モノ。この人やっぱエグイよ! 良い感じに好感持たせてザクザク殺…

『さよならピアノソナタ2』(電撃文庫)

「フェケテリコ(feketerigo)」という言葉の選び方がうまいよなぁ。いやホント、なんでこの作者がこんな綺麗な話書いてるんだろう、と未だに疑問ですよ(ぇ海での合宿、そして初めてのライヴ。しかし真冬は自分が”このバンドにいる意味”を考えて――あれです…

『さよならピアノソナタ』(電撃文庫)

作者のイメージからすると(2chねら、ニート)信じられないくらい綺麗な青春モノで吃驚。突然失踪したはずの天才美少女ピアニストに、せっかく居心地良くした空き教室を奪われてしまった主人公は彼女を見返すためにベースを手に取り……というようなストー…

『神様のメモ帳』(電撃文庫)

さあぶっちゃけ今月一番の期待作です!悪い意味で!「ニート探偵」「ニートティーン・ストーリー」――これほどあらすじで興奮した(悪い意味で)作品があったでしょうか反語。ましては『火目の巫女』のあとがきに縦読みを仕込んだ2chコテハンなら尚更のこ…

『神様のメモ帳』(電撃文庫)P216

「神様は洪水の後に、すべての生命に四つの塩基でもって祝福の絶対命令を刻んだ。知っているだろう、『産めよ、増えよ、地に満てよ』だ。ぼくらは――それを書き忘れられたのさ」

『神様のメモ帳』(電撃文庫)P29

「そもそもニートは文化依存症だ。我が国のような富強国でしか生まれ得ない。我々はもっとニートを誇るべきだ! ニートを育んだ国土を愛し、内外の敵から守るために立ち上がらなくては! 量産型ではなく精鋭のニートを募り切磋琢磨し、日本新党(にいと)を…