感想

『刀京始末網 −ヒツジノウタ−』(ファミ通文庫)

『三月、七日』の森橋ビンゴのデビュー作。2002年3月発売。一般人による逮捕、刀の所持が合法化(銃の所持が厳罰化)された日本で犯罪者(「愚連」)を捕まえる者たち―「始末」。刀鍛冶の父親を愚連に殺された少女は始末となりその愚連を追う生活に身をやつ…

『TO THE CASTLE DISCO UNDERGROUND』(スーパーダッシュ文庫)

続いて2巻。2004年4月発売。表紙が現代っぽかったのでひょっとして1巻の内容は仮想世界オチだったんだろうかと不安に思っていたら普通に続編だった罠。「ファンタジーRPGのBGMがディスコミュージックだったら」という世界観で、本当に主人公たちがディスコに…

『TO THE CASTLE』(スーパーダッシュ文庫)

ちょうど引越しと新刊発売で買うものが落ち着いている時期が重なったので積み本消化期間です。ここだけ時空が違います。まずは『神様家族』の桑島由一の2003年10月発売の奴。「ドゥー・ザ・ハッスル」と「トゥー・ザ・キャッスル」をかけたタイトルの楽しい…

『デュラララ!! ×4』(電撃文庫)

……。…………ちょっと聖辺ルリが最高すぎませんか?久々の『デュラララ!!』。新キャラや旧キャラの掘り下げがいつもの成田節ですが、それにしても聖辺ルリがやばいです。特に249Pのイラスト。瞬間最大風速では成田作品全体で首位独走ですよ!?話はいつもどお…

『さよならピアノソナタ2』(電撃文庫)

「フェケテリコ(feketerigo)」という言葉の選び方がうまいよなぁ。いやホント、なんでこの作者がこんな綺麗な話書いてるんだろう、と未だに疑問ですよ(ぇ海での合宿、そして初めてのライヴ。しかし真冬は自分が”このバンドにいる意味”を考えて――あれです…

『旅に出よう、滅びゆく世界の果てまで。』(電撃文庫)

これは良い。 やっぱり電撃は賞持ちより「最終選考落ち」のほうが面白(ryさて、”青空の下、制服の少女が荷物を詰め込んだスーパーカブに乗っている”というなんかストレートど真ん中にくる表紙、なんかせつなげな感じのタイトル、と思わず手にとってしまう…

『ツァラトゥストラへの階段 2』(電撃文庫)

あとがきが面白すぎるwww…じゃなかった。相手の腹の探り合いという頭脳ゲーム小説の2巻目。今回は今回のゲームのみがメインな感じ。そのあたり好きなので良いけど売り上げ大丈夫か?w とはいえパートナーになったサド女と仲良くなろうとうすら寒い恋人演…

『狼と香辛料Ⅶ』(電撃文庫)

胸中で呟いてしまう。 こんなお人好しの荷馬車に乗ることができて、人が崇めるという幸運の神に本当に感謝したいくらいだ。 お人好し、お人好し、と軽蔑と嘲笑を含めた言い方をしないとそれはあっという間に別の呼び名に変わってしまいそうで怖かった。 側に…

『MAMA』(電撃文庫)

やっぱこの人才能あるわぁ。去年の電撃小説大賞<大賞>の紅玉いづきの受賞後第1作。今回も「ちょっと怖い童話」のような独特の雰囲気で非常によろしい。この雰囲気はちょっと他の人が簡単に真似できないだろうなぁ。あらすじ…は書きにくいな、これ。流れと…

『君のための物語』(電撃文庫)

第14回電撃小説大賞<金賞>受賞作。 今期の電撃大賞は不作ばかりか! と嘆きかけた今月のラストに現れた救世主。万人にオススメできる今期ラノサイ杯投票確定枠。小説家への夢破れた青年と、画家への夢破れた女性。女性が川に飛び込もうとするのを青年が身…

『under―異界ノスタルジア』(電撃文庫)

第14回電撃小説大賞<銀賞>受賞作。表紙の印象では一番好みそうでしたが…うーむ。ホラーというジャンルは数が少ないのでがんばって欲しいんですが如何せん甲田学人のクオリティが高すぎてどうしても比べてしまうま。話のメインは怪奇現象退治の探偵事務所、…

『オオカミさんと毒りんごが効かない白雪姫』(電撃文庫)

おもしれぇwwwオオカミさんシリーズも5作目ですが安定した面白さです。短編連作ということもあって疲れた時でも気楽に読み始められて、でも読み始めると止まらない。新人と交互に読んでるんですがやっぱり実力差あるなぁ、当然だけど。さて、みんなが知っ…

『藤堂家はカミガカリ』(電撃文庫)

第14回電撃小説大賞<銀賞>。うーん、「佳作」。後半は悪くないんだけど全体的に有象無象のラノベを抜け出してなくて、印象が薄い感じ。とはいえ、主人公の男女の”相棒”っぷりは悪くないし、車椅子の丁寧なヒロインも好印象。これでもうちょっとメインのス…

『ミスマルカ興国物語?』(角川スニーカー文庫)

『お・り・が・み』『戦闘城塞マスラヲ』(実質『お・り・が・み』の続編)の林トモアキの新シリーズ。いやがおうにも期待が高まりますな!『お・り・が・み』と言えば抱腹絶倒のギャグに、無茶振りな大風呂敷が魅力の現代魔物?魔法?バトル?メイド?モノ…

『ほうかご百物語』(電撃文庫)

第14回電撃小説大賞<大賞>受賞作。……<大賞>? え…このMF文庫の賞なしの新人が出して「まー、一応買ってみますか」と買ってみて山なし落ちなしな出来で「あー」と思いつつでも「まあ、最後まで読むか」とがんばって流し読み気味でなんとか読み終わって「…

『ドラゴンキラーあります』(C・NovelsFantasia)

2007年下期ラノサイ杯新規部門で6位(14票)を獲得したシリーズ。第3回C★NOVELS大賞の受賞作でもあります。タイトルから王道の“剣と魔法”ファンタジーかと思ってたら銃と怪力(笑)のノワールハードボイルド風でした。でも堅さや鬱さは少なくてライトノベルっ…

『ナショナルトレジャー リンカーン暗殺者の日記』

ナンダコレ。前作はホリデーシーズンに家族で楽しめる冒険映画としてかなり面白く、『インディ・ジョーンズ』の後継と言っていいかとすら褒めていたんですが2作目のコレは…正直ダメすぎる。くそう、「え? ナショトレ続編出るの? マジで!?」と喜んだ興奮…

『劇場版 空の境界/第一章 俯瞰風景』

ちょっとクオリティ最高すぎるだろ常考。 映画館に行って並ぶのが面倒とかどうでもいい、劇場で観るべき映画です。さてこの『らっきょ』映画版、個人的なことを言うと、12月公開時は行く気まんまんだったのですが新宿単館、しかもナイト興行のみ(後日モーニ…

『乙女はお姉さまに恋してる 櫻の園のエトワール』(ファミ通文庫)

『処女はお姉さまに恋してる2』。通称『おとボク』といえば3年前の発売の頃には”お嬢様学園で「ごきげんよう」&姉妹制度”という設定がやれ『マリみて』のパクリだと叩かれていたのを、ちゃんとした独自の面白さで黙らせたという良作18禁PCゲームです。祖父…

『モノケロスの魔杖は穿つ4』(MF文庫J)

このシリーズはもっと評価されるべき。魔術バトルモノ第4巻にして最終巻。なんかちっとも話題になってない気がしますが個人的にはもっと評価されていいシリーズだと思います。世界観や設定、魔術的な単語・ふりがながえらく読みづらくしてることはわかります…

『“文学少女”と月花を孕く水妖(ウンディーネ)』(ファミ通文庫)

時系列的には2話目の後、夏休みを描く番外編。麻貴先輩に絵のモデルとして別荘に拉致された遠子先輩に無理やり呼び出された心葉。その別荘は80年前の惨殺事件・怪談の舞台で――前巻のヒキがあんだけだったのにここにきて番外編かよ!と思いましたが実は最終…

『ef - a tale of memories』(全12話)

今期最高傑作。 (次点で『CLANNAD』。流石京アニの出来だが原作は超えていないという点で『ef』に軍配。まあ元から単一シナリオな『ef』とマルチシナリオを1つのシナリオにしないといけない『CLANNAD』では難しさが違うのでしょうが)やー、エロゲ原作のア…

『マリア様がみてる キラキラまわる』(コバルト文庫)

蔦子さんや笙子、可南子まで含めたほぼオールキャストの遊園地デート。なのにどの組もそれぞれトラブルが発生したのか険悪な雰囲気で……? 卒業を目前にした、最後の想い出エピソードってところでしょうか。「マリみて」らしいほのぼのしたトラブルとまったり…

『とらドラ6!』(電撃文庫)

いやぁ、前巻も突き抜けた面白さでしたが今巻もそれに負けず劣らずの傑作。相対評価で失速して当然のこの状況でこのレベルのを連続で出せるってどんだけだよ。そんなわけで『とらドラ!』の6巻。今まではキャラクターの魅力とテンション高めのギャグで人気を…

『9S memories』(電撃文庫)

読み応えのあるSFアクションシリーズ「9S」の短編集。由宇と八代の最初の事件、闘真と麻耶の出会いの2編はファン待望のエピソードでもあり興味深く、また楽しげ。しかし今巻の見どころは断然書き下ろしの蛟とクレールの過去話ですよ! 何回か言ってますが、…

『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3』(電撃文庫)

うわぁ、ヤンデレの宝石箱やぁ〜wさあなんか絶好調な問題作の3作目。大丈夫か世の中。考え直せ。今巻ではみーくんの妹が登場。この子の病みっぷりも半端ないです。兄を「働き蟻」と呼んで足蹴にしていた、死んだはずの妹。ヤンデレサドデレロリポップン(謎…

『電撃h&p(はじまり&ピリオド)』

こないだの電撃15年祭で売ってた、もはや恒例となったパロディ本。目新しさはもうないけれど、作者の自虐っぽい愚痴(楽屋ネタ)や、使いたいけど著作権・作品世界的に言えないアニメ・漫画ネタを堂々と作品に混ぜちゃおう的なノリがわかる人にはとっても楽…

『紅 kure-nai 醜悪祭(上)』

久々の『紅』!なんか物凄く久しぶりな気がしたので調べてみた(↓)。 2004/09 電波的な彼女 (集英社スーパーダッシュ文庫) 2005/03 電波的な彼女―愚か者の選択 (集英社スーパーダッシュ文庫) 2005/07 電波的な彼女 ~幸福ゲーム~ (スーパーダッシュ文庫) 200…

『クジラのソラ04』(富士見ファンタジア文庫)

「感動の最終巻」という煽りがぴったりの最終巻。もう最初からずっと打ちひしがれた切ないオーラがびんびんで些細な描写で泣きそうになること数回。そしてそこからの発奮と復活が素直に嬉しくてラストバトルは熱く、さらにその先の大団円。ラストシーンの綺…

『聖剣の刀鍛冶』(MF文庫J)

『上等。』シリーズの三浦&屡那コンビの新作はファンタジー。元貴族で誇り高い自警団の少女騎士、腕は確かだが無口な刀鍛冶の少年、その助手で天真爛漫な幼女。前作同様、キャラクターが魅力的で、絵師との相性も良いので倍率ドン。ただ、ファンタジーとい…